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京都観光タクシー同友会の観光案内

【瀧尾神社】《祭神・大己貴命》075-531-2551

京都 東山 南部地域活性委員会が発信する観光情報案内サイトより

 創建年代は不詳だが、「源平盛衰記」にその名が見える。天正14(1586)、豊臣秀吉が方広寺大仏殿を建立したのに伴い、現在地に遷座した。現在の本殿、拝殿、手水舎、絵馬舎は、下村家(現在の大丸百貨店)の手により、江戸後期にかけて造立された。

神社鳥居 神殿及び拝殿 拝殿
拝殿上の龍の彫刻 神殿周りの彫刻 神殿周りの彫刻
神殿周りの彫刻 神殿周りの彫刻 神殿周りの彫刻

■本殿 「貴船奧院御社」旧殿を移築改築したもので、京都市指定有形文化財に指定。祭神は大己貴命(おおむなちのみこと)。江戸時代まで祀られていた大黒天(大国主命)や弁財天、毘沙門天の3神も共に祀られている。

本殿や拝殿に立派な彫刻があることで知られ、とくに拝殿天井から見守る、長さ8mの龍は見事。

九山新太郎の彫刻がふんだんに飾られた社

高名な京の彫刻家・代々当主が新之丞を名乗る九山新之丞氏の子息(九山新太郎)作の彫刻が社内には多数見られる。回廊には十二支の姿、水鳥や阿吽の龍、獏、鶴、鳳凰、尾長鳥、霊獣である犀や麒麟の姿も見える。正面から見える面だけでなく、裏側まで丁寧に彫りこまれており、正面とはデザインも異なる。通常拝観で、裏側が見える場所は限られているが、ぜひ裏側の様子も見てほしい。目が入れられた像が多いのは、江戸末期に目を入れる技法が流行したため。

本殿の正面は霊獣らしき彫刻に守られている。雲上におり、顔は鳳凰、四足、体にはウロコがあり、鳥のような爪を持つ姿は、何の動物や霊獣を表すのかわかっていない。少なくとも京奈には、同様の霊獣が描かれた例は無いことから、日本でも1体しか存在しない像だといわれる。

夜な夜な水を飲みに行く大きな龍

拝殿の天井には全長8mの巨大な龍の姿がある。無垢材で仕上げられた、木目も麗しい龍は、巨木を何十本も使って作られた大きなもの。日本一の大きさとも言われている。木目の位置まで計算し、立体感や躍動感が湧き出るように製作されている。出来が良かったため、夜な夜な抜け出し、近くを流れる今熊野川まで水を飲みに行くとの話が広がった。神社側では拝殿の天井に網を取り付けて、龍が自由に動けないようにしたという。現在は網はなくなっており、拝観も自由。スリッパに履き替えて拝殿の上に上り、自由に龍の姿を堪能できる。

屋根の上には“猿”の姿が

本殿の屋根の上には、伏見人形で作られた猿が乗っている。

瀧尾神社周辺にはかつて松林があり、神猿が住むと言われていた。猿の伏見人形も、当初は松の木から丑寅(うしとら)の方位(北方)を見守っていたのだが、松が枯れてしまったために、本殿の上へと移された。檻のようなものに入れられており、少見難いが、ユーモラスな姿は必見。

あの「百貨店」が商売繁盛な秘訣は……

江戸中期に行商から大呉服商になり、今の大丸百貨店の礎を築いた天下の豪商・下村彦右衛門。瀧尾神社は、その下村彦右衛門が熱心に参ったことで知られる。江戸後期の天保年間に完成した現在の社殿も、下村一族の資本によるもの。2500両(現在価値で5億ほどと考えられる)という、豊富な資金を背景にした再建は「何でも一流を」との考えから。本殿や拝殿に豪華な彫刻がほどこされているのも、潤沢な資金のおかげだ。社内には、歴代の大丸百貨店の様子なども奉納されており、大丸百貨店の歴史を知ることもできる。

下村彦右衛門は「福助」のモデルとしても有名。中国から輸入した綿糸を販売し、巨万の富を築いた彦右衛門は、お礼として、瀧尾神社境内にて食事を振る舞った。次第に人々は彦右衛門を「福の神のような人」と呼び始め、「福助」の愛称が定着した。そこで、伏見稲荷の人形師が、彦右衛門をモデルにした伏見人形を作ったところ、大人気となり「福助」の名前が全国に広がった。

瀧尾神社では、鳥居前の人形師「欽古堂」に製造型を依頼して、当時の「福助人形」を復刻。授与品として参拝者にお分けしている。 

京都 東山 南部地域活性委員会が発信する観光情報案内サイトより

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