京都観光タクシー同友会の観光案内
【角屋もてなしの文化美術館】TEL075-351-0024
天正17年(1589年)、豊臣秀吉によって柳馬場二条に傾城町「柳町」が開かれ、初代徳右衛門が角屋の営業を始める。1602年(慶長7年)、柳町は突然の移転を強いられ、角屋も六条三筋町へ移転を余儀なくされた。さらに1641年(寛永18)年、再度柳町は移転となり、角屋は二代目徳右衛門によって現在地の島原へ移された。なお、六条三筋町の所在地(新町五条下ル)は現在も角屋が所有している。1872年(明治5)まで営業した後、お茶屋に編入された。1985年(昭和60)まで「松の間」を宴会に使用。1998年(平成10)、「角屋もてなしの文化美術館」が開館し、一般に公開されている。2014年現在、家名は十四代目に継承されており、当代が館長を勤めている。
■揚屋[重文] 1952年(昭和27)、島原が開かれて以来、現存する唯一の揚屋の遺構。(ただし「松の間」のみは大正末期の火災後の再建、2012年に登録有形文化財に登録)。揚屋とは、江戸時代の書物の中で、客を「饗すを業とする也」と定義されている。現在の料理屋・料亭にあたる。饗宴のための施設ということから、大座敷に面した広庭に必ずお茶席を配するとともに、庫裏と同規模の台所を備えていることを重要な特徴とする。
■角屋と与謝蕪村 江戸時代中期には島原でも俳諧が盛んになり当時の角屋当主(七代目、俳名徳屋)は与謝蕪村を師として招いている。その蕪村がここに残した「紅白梅図」は国の重要文化財として当美術館に展示されている。
他、天明年間前後に制作された円山応挙、石田幽汀などの襖絵も残っている。
■角屋と幕末 幕末には久坂玄瑞、西郷隆盛などの勤王の志士が密議を交わし、豪商からの資金調達のための接待に使用されていたという。また、新選組もここでの遊興を楽しんだ。特に芹沢鴨との関わり合いは深く、1863年(文久3)、6月ここで暴挙をはたらき、その際に出来た刀傷が今でも残っている。また、芹沢が殺害される直前にここで酒宴を開いている。角屋の前には「長州藩士久坂玄瑞の密議の角屋」、「新撰組刀傷の角屋」の石碑が建てられている。
■角屋の建物 木造2階建て、屋根は切妻造、桟瓦、こけら及び銅板葺き。揚屋町の通りに東面して建つ。通りに面する表棟と、中庭を挟んで西側に建つ奥棟からなり、両者は玄関部分で接続して1棟となっている。表棟は格子造で間口31.5メートルに達する。
■表棟1階 1階北端には天井を網代組とした「網代の間」(28畳、床・棚・付書院つき)があり、以下、女仕事部屋、女部屋、仲居部屋、門口の土間、男部屋、四畳半、七畳半(2室)など、おもに使用人向けの諸室が並ぶ。
■門口を入ると 狭い前庭を介して正面に内玄関、右手に玄関(客用)がある。内玄関を入った奥棟部分の1階は、南側を通り土間とし、その北に板間、台所、帳場、茶室(2畳台目中板)など、おもに調理や裏方の諸室がある。台所の北には廊下を挟んで客室(9畳)と中庭がある。1階の北西側には大座敷の「松の間」があるが、この部分は1925年の火災後の再建。
■2階の座敷 2階への階段は、客用玄関に表階段、台所に裏階段(箱階段)がある。表棟2階には北から
◆「緞子の間」(23畳、床・棚・付書院つき) 建具に緞子(高級な絹織物の一種)を張ることからこの名がある。
◆「翠簾(みす)の間(口の間)(12畳) 襖絵に翠簾(御簾)を描くことによる命名で、この部屋は建物内でももっとも古い、寛永期にさかのぼる部分とみられる。
◆「翠簾の間(奥の間)」(10畳、床・棚つき)
◆「扇の間」(21畳、押入つき)があり、天井に50数枚の扇面を貼ることからこの名があり、欄間や襖の引手などのデザインも扇形になっている。
◆「草花の間」(6畳) 「翠簾の間(口の間)」の西。
◆「馬の間」(9畳)がある。「草花の間」の西、奥棟との取合部に。
■2階の奥棟部分 三畳長畳、孔雀の間(4畳半)、八景の間(6畳)、梅の間(10畳半)、囲の間(茶室)、水屋(3畳台目があり、奥の西側には南に「青貝の間」(17畳、床・棚つき)、北に「檜垣の間」(14畳、床2か所・棚・押入つき)がある。
◆「青貝の間」は、露台(ベランダ)が付属する。建具や壁などに漆工芸に用いる青貝を埋め込んだ模様。この部屋に用いられている「青貝壁」は、九条土の壁に模様の形に切り抜いた青貝を埋め込んだ特殊な技法によるもの。
◆「檜垣の間」は、天井、建具などが檜垣文様をモチーフとしている。
■開館期間 3月15日〜7月18日、9月15日〜12月15日
※2階の特別公開の座敷(青貝・扇の間他)につきましては、事前申込。料金は入場料の他に別途必要。大人800円、中・高生600円(中学生以上)
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