京都観光タクシー同友会の観光案内
【蓮華寺/洛北】《天台宗》075-781-3494
蓮華寺の紅葉 2010年12月
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1662年(寛文2)、加賀藩の家老・今枝近義が父・今枝重直の菩提を弔うため蓮華寺を洛中から移し再興した。今枝重直は、八条宮智忠親王の簾中(貴人の正妻を敬っていう語)になった加賀藩前田家のお姫様のお世話をしていた。智忠親王は、かつては豊臣秀吉の猶子(養子)であり、離縁のあとで八条宮家を創始した智仁親王の第一子。今枝近義は狩野探幽・石川丈山・黄檗の隠元・木庵禅師などと交友があり、かれらからさまざまな示唆をうけて蓮華寺を再興したと推測される。また、近義は桂離宮の造営にも協力したと伝えられ、蓮華寺のそこここに感じられる王朝風の雰囲気は桂離宮に通じるものがあるといわれている。
お寺入口 | 参道 | 節黒仙翁 |
書院庭園 | 本堂より蓮華寺型燈籠を臨む | 茶席の小川 |
■書院 庭園を鑑賞、対話するための書院のよう。秋、池の上に深々と枝をのばすカエデが印象的で必見。
◆庭園 池泉回遊式を兼ねた鑑賞式庭園。池には石橋を架した亀島があり、水面から突き出した石が亀の頭「亀頭石」。池中には、宝をたくさん積んで重く沈み込んでいる船石。「入舟」といわれる形は、理想の世界は浄土にではなく、私たちが日常生活を送る現実の世界にこそあることを伝える。亀頭石付近は石が多く配されていたと考えられるが、洪水で壊されこの石のみが遺された。亀島の後ろには蓬莱山がそびえる。作庭は石川丈山とも小堀遠州とも伝えるが、あきらかにしない。なお、庭中の亀島には石川丈山の篆額(石碑などの上部に篆字で彫った題字)、木下順庵撰文の石碑があるという。本堂の裏側に続く庭園内の散策路には、左側に小さな二体の石仏があり、「大日如来」と「如意輪観音」を表現しているという。
■本堂 本尊釈迦如来像を安置。
◆蓮華寺型石灯籠 本堂前に六角形の急勾配の笠をもつ独特の灯籠。古来、茶人のあいだにこれを模造し、愛玩するものが多いという。
◆鐘楼 檜皮葺きで宝形造。黄檗二世木庵禅師の銘文のある銅鐘をかかげる。
参考資料 昭和京都都名所図会 竹村俊則著より
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