京都観光タクシー同友会の観光案内
【万福寺】《黄檗宗総本山》℡0774-32-3900
1654(承応3)年、63才で中国から来朝した※隠元隆琦が、後水尾法皇や徳川四代将軍家綱の崇敬を得て、寛文元年(1661)に中国の黄檗山万福寺にならって建立。隠元のあと14世竜統が日本人で始めて住持となるまで13代にわたり明僧が続く。建築、経、日常語まですべて明の様式のため中国的な禅宗様式が色濃く残る。そのさまを※菊舎は“山門を出れば日本ぞ茶摘みうた”と詠みあげた。日本三禅宗(臨済・曹洞・黄檗)の一つ。
※隠元隆琦(1592~1673) 中国明末の僧で日本黄檗宗の開祖。承応3年(1654)に長崎興福寺の逸然の招きで来朝。徳川家綱に謁見し、宇治に寺地を与えられ万福寺を開く。
※菊舎 加賀の千代女と並び称される女流俳人。宝歴3年(1753)山口生まれ。
総門 | 三門 | 天王殿 |
布袋和尚 | 法堂 | |
雲版 | 大雄宝殿 | インゲンマメ |
■総門[重文] 漢門ともいう。屋根は中央部が高く、左右の屋根が低くなった三棟袖屋根で頭上に摩伽羅という想像上の大魚をのせる。摩伽羅は、一切の万物を飲み干すといわれる仏教でいう想像上の大魚の事をいい、鯱と違って、“後ろ足”がつくられているのが特徴。何れにしても鴟尾から変化したもので、インドの伝説上の生き物で、顔がワニといわれ背上に鋭い棘を持つ架空の怪魚。正面の“第一義”と書かれた扁額は、万福寺第五世高泉性潡の筆。
■インピ―(影壁) 「えいへき」とも呼ぶ。中国建築様式の特色である魔除けの壁で、玄関から侵入してきた邪鬼が主用建築物に近づけないように配慮した一種の防護壁をいう。邪鬼はまっしぐらに壁に突進、激突し、ただ立ち去るほかなく、知恵有る者のみが三門に至るとされている。
■放生地 生き物を解放することで、生まれ変わりを願った事だと思われる。家族の者が亡くなると、魚やその他の生き物を放してあげることで亡くなった者の為の精進をされたもの。関西では葬式の時に白と黒の霊送鳩が話されるのも同じ意味かと。
■三門[重文] 3間3戸重層入母屋造(普通の三門は5間3戸)。隠元禅師筆の“黄檗山”と“万福寺”の額がかかる。また、三門の裏に「栴檀林」と書かれた扁額が上げられている。栴檀は白檀ともいわれ熱帯性…インド・インドネシアに産出し、特に爽やかな香りがする香木。栴檀林…すなわち境内全域が清浄化された心地の良い空間ということになる。
■天王殿[重文] 禅宗寺院の伽藍配置では三門・仏殿・法堂が直線上に並ぶのが通例であるが、三門と仏殿の間に天王殿が加わる。単層、入母屋造、内部中央に弥勒菩薩である布袋和尚が太鼓腹を突き出して安置される。中国人仏師・「范道生」の作と伝える。この布袋和尚は中国唐代の実在の禅僧で、常に大きな袋を持ち歩き、人から物を貰い受け袋に入れて蓄えたという。その背後に韋駄天が、四囲に四天王像が立つ。火葬された釈迦の歯を俊足の鬼神⇒足疾鬼が奪って逃げ出し、この韋駄天が追いかけ仏歯を取り戻したといわれる。
■黄檗樹 キハダの別名。中国の万福寺に多く黄檗が生育して、「山号」にも取り入れられた黄檗は、山地に自生する「みかん科」の落葉樹で、染色用や薬用に用いられたよう。
■聯燈堂 祠堂。1687年(貞享4)の創立。本尊は観世音菩薩。過去七仏を始め釈尊以後、本宗顕法位(宗門僧侶としての法を受け継いだ者のこと)以上の僧侶の位牌を祀るお堂。屋根瓦には鬼瓦でなく、般若の瓦になっている。
■伽藍堂 范道生が1663年(寛文3)に作成したという神像が、いまも伽藍堂に祀られている。それが「華光菩薩」の像。その前に関帝像が置かれている。華光といえば、元明代に中国で盛んに信仰された神で、仏教からは華光菩薩、道教からは五顕霊官・馬元帥として信仰された神。有名な明の小説『南遊記』の主人公でもある。華光神は、その姿はかなり特異。すなわち三眼で無髯(髯が無い)、手にはその宝物である金磚という武器を持つ。
■斎堂[重文] 僧たちの食堂で粗末な机と椅子が並ぶ。廊下に魚梛という食事のときを知らせる大きな木製の魚がかかる。木魚は読経をするときに打ち鳴らすことで、リズムを整える。また、眠気覚ましの意味もあり、木魚が魚を模しているのは、眠るときも目を閉じない魚がかつて眠らないものだと信じられていたことに由来する。魚梛の口元は「球」を咥えて、この球は煩悩を意味する。
◆雲版 雲形をした青銅製の鳴り物法具。主に粥座(しゅくざ)や斉座(さいざ)の食事時間を報じるほか、朝課の触れにも用いる。
◆生飯台 餓鬼や鬼神に食料を供養するための石製の台。黄檗系の寺院のみ。主に食堂の前に置かれ、食事をとる僧たちは自分の口に入れる前に先ず一箸の飯粒をこの台に乗せ、餓鬼衆等に供養してから自分たちの食事に臨む。
■大雄宝殿[重文] 本堂にあたる。大雄(だいおう)とは釈尊のこと。釈迦如来坐像と阿難・迦葉像、左右に十八羅漢像を安置する。仏師范道生作。本堂正面の廊下の天井は半円形の蛇腹式になっていて、柱などの基礎石は太鼓を象ったもの。角柱、腰高の障子・花頭窓のかわりに円窓を使用。堂前の白砂は雲を見たて、「月台」、月光を堂内に取り入れるために白砂が敷かれている。その中央に畳一丈程の石で煩檀石といって、戒律を犯した僧を戒めのため、無言といわれる懲罰を与えるためこの石に座らせたといわれている。
■法堂[重文] “獅子吼”の額を掲げ、卍崩しの勾欄の意匠が面白い。
■禅堂(選仏場) [重文] 境内、三黙道場(斉堂・浴場・禅堂)の一つ。談笑してはいけない三つの場所をいい、一切喋ることが禁じられている。「止静」と書かれた板に幕(戸帳)が付けられている。この戸帳は、万福寺本堂及び禅堂の正面入り口に吊り下げられており白に黒の縁取りになっていて、中国では暖簾(ヌァンレン)といい、日本の「のれん」の原型となったもので、扉代わりに用いられる。
■祖師堂[重文] 禅の宗祖達磨大師を安置する。開祖隠元禅師や歴代管長の位牌を祀る。
■寿塔 隠元が建てた墓のことで、生前に建てた墓の事を寿塔という。建物は六角形でそれを取り巻く板塀は三画の幾何学模様になっている。
■開山堂[重文] 開山隠元禅師を祀る。屋根に火焔宝珠がつき、卍崩しの勾欄や堂の戸口にある半扉など、法堂などと同様の手法が見られる。
■売茶堂 煎茶道の祖、売茶翁を祭る。有声軒では毎日曜と毎月16日に茶会。
□普茶料理 隠元が伝えた中国風精進料理。「普茶」とは、普く多数の人にお茶を差し上げると言う意味。もとは寺での儀式や法要の後につきものの料理だった。僧侶たちが集まり、煎茶を飲みながら意見交換や反省の場を持つ「茶礼」の際にねぎらいを込め、特別に出された。四人が一つのテーブルにつき、中華料理のように大皿を囲むのが基本。日本では元来、一人ずつお膳で食事をするのが一般的。料理も二汁六菜が中心と、偶数を好むのは中国文化の影響と見られる。主賓や年長者といった上下の分け隔てなく、大皿に盛り付けられた料理を仲良く取り分けるのが普茶料理の様式。料理は素朴な食材を生かし、肉や魚はもちろん、ニンニクやネギなど刺激の強い食材は用いないという。
■その他、隠元の請来 隠元豆・西瓜・蓮根・孟宗竹・木魚などは隠元禅師が中国から請来したものといわれている。
■総門[重文] 屋根は中央部が高く、左右の屋根が低くなった三棟袖屋根で頭上に摩伽羅という想像上の大魚をのせる。正面の額は“第一義”と書かれ、高泉性?の筆。
■三門[重文] 3間3戸重層入母屋造(普通の三門は5間3戸)。隠元禅師筆の“黄檗山”と“万福寺”の額がかかる。
■天王殿[重文] 禅宗寺院の伽藍配置では三門・仏殿・法堂が直線上に並ぶのが通例であるが、三門と仏殿の間に天王殿が加わる。単層、入母屋造、内部中央に弥勒菩薩である布袋和尚が太鼓腹を突き出して安置される。その背後に韋駄天が、四囲に四天王像が立つ。
■大雄宝殿[重文] 仏殿にあたる。前面1間は吹き放しでその天井は蛇腹。角柱、腰高の障子・花頭窓のかわりに円窓を使用。正面、釈迦如来坐像と阿難・迦葉像、左右に十八羅漢像を安置する。堂前に白砂敷の月台がある。
■斎堂[重文] 僧たちの食堂で粗末な机と椅子が並ぶ。廊下に魚梛という食事のときを知らせる大きな木製の魚がかかる。
■法堂[重文] “獅子吼”の額を掲げ、卍崩しの勾欄の意匠が面白い。
■開山堂[重文] 屋根に火焔宝珠がつき、卍崩しの勾欄や堂の戸口にある半扉など、法堂などと同様の手法が見られる。後方に中国の廟の形式を伝える寿塔(隠元の墓)が立つ。
■売茶堂 煎茶道の祖、売茶翁を祭る。有声軒では毎日曜と毎月16日に茶会。
◇普茶料理 隠元が伝えた中国風精進料理。「普茶」とは、普く多数の人にお茶を差し上げると言う意味。もとは寺での儀式や法要の後につきものの料理だった。僧侶たちが集まり、煎茶を飲みながら意見交換や反省の場を持つ「茶礼」の際にねぎらいを込め、特別に出された。四人が一つのテーブルにつき、中華料理のように大皿を囲むのが基本。日本では元来、一人ずつお膳で食事をするのが一般的。料理も二汁六菜が中心と、偶数を好むのは中国文化の影響と見られる。主賓や年長者といった上下の分け隔てなく、大皿に盛り付けられた料理を仲良く取り分けるのが普茶料理の様式。料理は素朴な食材を生かし、肉や魚はもちろん、ニンニクやネギなど刺激の強い食材は用いないという。
万福寺 普茶料理5,000~(普茶弁当3,000) ℡0774-32-3900
白雲庵 普茶料理5,000~(普茶点心3,500)万福寺山門前 ℡0774-31-8017
◇その他、隠元の請来 隠元豆・西瓜・蓮根・孟宗竹・木魚などは隠元禅師が中国から請来したものといわれている。
参考資料 昭和京都都名所図会 竹村俊則著より
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