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向源寺(こうげんじ)(渡岸寺(どうがんじ))】《真宗大谷派》0749-85-2632

 736(天平)年、僧・泰澄(たいちょう)が当時、都に流行していた疱瘡(ほうそう)の厄除け祈願をこめて十一面観音を刻み、観音堂を建立したことに始まる。また、聖武天皇の勅願とも言われる。収蔵庫には平安後期の胎蔵界(たいぞうかい)大日如来[重文]を安置している。

表門 本堂 収蔵庫

■本堂 昭和34年完成の須弥壇に、阿弥陀如来を安置する。

■収蔵庫 近年完成。広隆寺の宝物館のように、桐材を使った収蔵庫。

◆十一面観音立像[国宝] 像高195cm、頂上仏・化仏(けぶつ)瓔珞(ようらく)を別木とする(ひのき)の一木造で、平安前期の作。頂上仏は一般の十一面観音立像が如来相であるのに対し、菩薩相で五体の化仏をもつ。左の瞋怒面(しんぬめん)、右の狗牙上出面(くげじょうしゅつめん)は耳の後ろに付けられ、全体に面長の顔立ちで軽く腰を左に捻り、長く垂らした右手が上半身を安定させている。重厚でしかも密教像特有の官能的量感を備えた仏像。湖北に数多く残る十一面観音の中では唯一の国宝。織田信長の小谷攻めで堂宇が焼失した際には、村人が土中に埋めて難を逃れさせたという。

井上靖(いのうえやすし)文学碑 井上靖の小説『星と祭』でこの寺が有名になる。その記念の碑。

【観音の里歴史民俗資料館】0749-85-2273

 渡岸寺観音堂の東側にある。観音像の説明や雨森芳洲など同町の先覚者の紹介をパネル展示などで行っている。高月町や木之本町は「観音の里」と称されるほど、寺やお堂に十一面観音が安置され村人たちに大切に守られてきた。比叡山延暦寺の影響を受け、平安〜鎌倉時代に多くの十一面観音立像が湖国で刻まれた。

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