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神童寺(じんどうじ)《真言宗智山派》0774-86-2161

 寺伝によれば、推古天皇4年(596)聖徳太子の創建といい、また天武天皇4年(676)役小角(えんのおづぬ)が来山して修行中、童子と化した子守(こもり)勝手(かって)(こん)(せい)の三神とともに一体の蔵王権現の像をつくり、本尊としてあんちしたとのが起こりと伝え、寺号もこれに因んで神童寺と名づけたという。神童寺はその後、衰退期を迎えたが、興福寺の僧願安によって復興し、山岳修験の道場として、北の鷲峰山から尾根伝いに行場が開かれ、不動明王が祀られた。園城寺の黄不動、高野山の赤不動、青蓮院の青不動と並び称される、平安時代の白不動明王立像がそれで、他に密教由来の仏像を多く安置する。

山門 本堂

本堂[重文] 室町時代の建立。蔵王権現像を本尊としているので、一に蔵王堂ともいう。外観は方三間、単層、寄棟造、屋根は本瓦葺とし、前面に一間通りの吹放し広縁をつけ、広縁の屋根が縋破風(すがるはふ)となっているのが珍しい。内部は周囲一間を内陣とし、和様と唐様折衷の須弥壇を置く。床はすべて拭板を敷き、天井は内外陣とも棹縁天井で、向拝は化粧屋根裏である。一部後世の修理に属するが、組物等になお室町中期以後の遺構をとどめている。

収蔵庫 昭和43年(1968)に竣工した四柱造り、鉄筋コンクリート製の建物で、阿弥陀如来坐像[重文・平安]を中心として多くの重文の仏像を安置する。他に伎楽面[重文・鎌倉]、版本「大般若経」約六百帖、紙本著色「神童寺伽藍図」一幅等、多くの寺宝があり、この寺の古さを物語っている。

資料 昭和京都都名所図会 竹村俊則著より

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