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【慈光院】《臨済宗大徳寺派》0743-53-3004

 1663(寛文3)年、石州流(せきしゅうりゅう)茶道(ちゃどう)の祖である小泉(こいずみ)藩主片桐貞昌(かたぎりさだまさ)が父(貞隆)の菩提を弔うために、大徳寺185世玉舟和尚(大徹明應禅師)を開山に迎え建立した臨済宗大徳寺派の寺院。片桐貞隆は片桐且元(かつもと)の弟で、徳川綱吉の茶道指南となり石州(せきしゅう)と号した。寺としてよりも境内全体が一つの茶席として造られており、表の門や建物までの道・座敷や庭園、そして露地を通って小間の席という茶の湯で人を招く場合に必要な場所ひと揃え全部が、一人の演出そのまま三百年を越えて眼にすることができるということは、全国的に見ても貴重な場所となっている。西ノ京・斑鳩散策のおり、抹茶での休息に最適。

お寺入口 参道 表門
書院外観 書院から大和盆地を眺める 枯山水庭園

■本堂 昭和59年の再建。ご住職がおられれば、本堂の鳴竜(なきりゅう)を聞かしていただける。

■書院[重文] 茅葺(かやぶき)農家風の書院。書院の一隅に茶室・高林庵(こうりんあん)[重文]がある。

◆書院庭園[史跡・名勝] 奈良にはめずらしい枯山水の借景庭園。石組みを全然用いず、白砂を前に南側にはツツジなど約70種からなる大刈込を配し、東側は低い植込みとして大和盆地の雄大な景色を取り入れている。現在は、景観対策として、下記のように植樹して、景観の保全に努力されています。

□慈光院景観対策 平成9年より書院東側(蓮池の横)の元来田んぼであった土地(3000)に盛り土し、樹木を五、六百本植樹。樹木を育てるのは50年あるいは100年という長い年月が必要で、今すぐに結果が出るというものではないが、未来の為の活動を行っている。

□石州の茶の湯 石州の茶の湯は、千道安(千利休の長男)の流れを汲む桑山宗仙から学んだものである。利休本来の茶の湯の精神を継承しつつ、時代の流れである武士中心の世の中に調和させた「分相応の茶」を説いたことが、将軍家をはじめとして諸大名達に受け入れられることとなった。石州に茶の湯を学んだ人物としては、徳川四代将軍家綱・水戸光圀・堯然法親王・松浦鎮信・藤林宗源・清水動閑・大西閑斉・保科正之・怡溪宗悦・野村休盛などが挙げられる。彼らがさらに全国各地へ石州の教えを広めたことから、後に茶道ができてからは「石州流」となり、多くの派に分かれている。

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