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【百済寺】《天台宗》0749-46-1036

 606(推古(すいこ)14)年、聖徳太子の発願(ほつがん)により創建されたと伝える。天台宗に改宗後は大いに寺勢を誇ったが、近江源氏佐々木六角などとともに※信長の湖東進攻に抗し、その結果全山を焼失。現在は江戸時代に伊井氏などの寄進で再建された本堂・仁王門を残すだけ。杉木立を縫って曲折する参道には城郭(じょうかく)構えの堅牢(けんろう)な石垣を残し、戦国時代の中で、山麓の僧坊300を擁した当時の隆盛を偲ばせる。湖東三山の一つ。

※信長の湖東進攻 1572年、織田信長は近江に入り、浅井・浅倉と対決する。翌年の4月百済寺は反信長の森氏の居城鯰江城を後援したため、兵火を受け全焼する。同じく嫌疑をかけられた金剛輪寺は一僧侶が機転をきかせ全山焦土と化したと信長に告げ、本堂付近の焼失を免れたという。

参道・赤門 本堂 庭園本坊

■赤門 百済寺の参道の入口の山門。朱塗りのために通称赤門と呼ばれている。本堂と同じ1650(慶安3)の建立。「下乗石」は小野道風筆と伝えられる。

■極楽橋 この橋の手前を「此岸」、橋を渡りきると「彼岸」という形で造作。橋から本堂まで参道の両側には延々と「石垣参道」とルイス・フロイスが「地上の天国 一千坊」と絶賛した「僧坊」の遺構が左右に展開する。

■庭園本坊 現在の建物は、昭和15年に仁王門側から移転改築されたもの。それにともない庭園も旧本坊のものを拡張改造。この庭は東の山を借景に山腹を利用し、大きな池と変化に富む巨岩を配した豪華な池泉廻遊式ならびに観賞式の庭園。これらの巨石は旧本坊庭園とさらに百済寺山内の谷川から集められたものを組み合せて作庭。本坊庭園は別名「天下遠望の名園」と称されている。

■仁王門 本堂と同じ年代に建立。三間二間で一対の金剛力士像が向きあっております。その正面につり下げられた一対の大草鞋に触れると、身体健康・無病長寿のご利益があると昔から言い伝えられております。最近では、「百寺巡礼」で有名な五木寛之氏が第35番目の百済寺参拝時に、この大草鞋に触れて、百済寺満願を達成されてから大変な脚光を浴び始めております。

本堂 1650年、井伊直孝(いいなおたか)の再建。日光東照宮と同じ甲良(こうら)大工による建築。本堂は室町時代の1498(明応7)に火災にあい、1503(文亀3)に兵火をうけ、さらに織田信長によって1573(天正元)全山焼失。かつての本堂は現在より少し山手の広大な台地に、金堂と五重の塔があった。現在の本堂は、一重、五間六間、入母屋造で正面中央に軒唐破風が付せられている。

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