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【法起寺】《聖徳宗》0745-75-5559

 もと岡本寺(おかもとでら)池後尼寺(いけじりにじ)とも称した。聖徳太子の岡本宮を638(舒明(じょめい)天皇10)山背大兄王(やましろのおおえのおう)が寺としたと伝える。平安時代から法隆寺の指揮下に入り、寺運も徐々に哀微したが、鎌倉時代には講堂や三重塔が修復される。しかし、室町時代に再び衰え、江戸時代のはじめごろには三重塔を残すのみであったという。金堂と塔の位置が法隆寺と逆で、法起寺式伽藍配置と呼ばれる。三重塔以外は室町以降の再建。 

法起寺入口 三重塔
本堂 聖天堂

■三重塔[国宝] 高さ24m。露盤銘(ろばんめい)により684年着工、706年完成とされる日本最古で最大の三重塔。初重内部は土間で四天柱(よてんばしら)と八角の心柱(しんばしら)を立て、四天柱の上に肘木(ひじき)(ます)を組んでいるが、二重以上は骨組がいっぱいに組まれている。初重にある仏壇は近世のもので、法隆寺の五重塔のような須弥山(しゅみせん)が作られた形跡や古い仏壇の痕跡はなく、当初の状況は不明。柱間の寸法は法隆寺五重塔と密接な関係をもち、初重は同寸法、二重は五重塔の三重と三重は五重塔の五重と等しい。この塔は法隆寺五重塔にならって建立されたことは明らかである。

◆銅像菩薩立像[重文] 飛鳥時代の高さ24cm止利(とり)式小金銅菩薩像が残る。

■本堂 元禄7(1694)3月の再建。寄棟錣葺の建物で、もとの講堂跡に建立。なお、本堂付近には、旧講堂のものとみられる礎石が残っている。

■聖天堂 定形造の建物で金堂の旧跡に建立されている。文久3(1863)2月、当寺住僧順光の発願によって建立されたもので、本尊・歓喜天像を安置する。

■表門 当寺の正門として建つ四脚門で、建立年代は、その様式上、江戸初期と考えられる。

■収蔵庫 十一面観音菩薩立像を安置する。この像の造像形式は通常の十一面観音菩薩で、10世紀後半ごろの作といわれている。

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