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【元慶寺】《天台宗》075-581-0183

869(貞観11)、遍照僧正が陽成天皇の降誕に際して発願し、天皇の母・藤原高子によって建立されたと伝え、877(元慶元)、清和天皇の勅願寺となり、年号をとって寺名とした。遍照は桓武天皇の孫にあたり仁明天皇の崩御に従い出家し、延暦寺で仏門に入ったとつたえる。史上特に有名なのは、花山天皇が女御の死を傷み、当寺にて出家落飾し、花山法皇と号されたことであろう。往時は皇室の帰依もあつく、寺運も隆昌、応仁の乱までは寺域も広かったが、応仁の乱で寺が焼失してから、現在みられるような小さい規模の寺になったといわれている。西国三十三所 番外霊場。

 

山門 参道 本堂

■山門 竜宮造りになっており、唐風で天台寺院としては珍しい。また、楼上には梵天と帝釈天が安置されていたようであるが、それらは京都国立博物館に寄託されているとのことである。

■本堂 現在の建物は安永年間(1772~81)の建立とつたえ、本堂には本尊・薬師如来像のほかに遍照自作とつたえる木像(江戸)や花山法皇の宸影を安置する。

■鐘楼 寛政9(1797)在銘の梵鐘をかかげる。

遍照僧正 開基の遍照僧正は六歌仙の一人として知られており、彼の作、『天津風雲の通い路吹きとじよ乙女の姿しばしとどめむ』は百人一首のなかでも特に有名である。

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