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【元興寺極楽坊】《真言律宗》0742-23-1377

 

南都七大寺の1つに数えられる寺院。元興寺(がんごうじ)はかつて飛鳥寺(蘇我馬子(そがのうまこ)が建立した法興寺)草創(そうそう)とする我が国でもっとも古い大寺の一つ。平城遷都によって現在地に新しい伽藍を建立、南都七大寺の一つとして栄える。都が京に移るとしだいに寺勢は衰え、平安時代に伽藍の大部分を失う。元興寺の往時の面影は、元興寺(塔跡)《華厳宗》c元興寺極楽坊・元興寺小塔院跡の3地域が伝える。元興寺極楽坊(ごくらくぼう)は平安時代後半から元興寺衰退の中で、鎌倉時代に僧坊(そうぼう)の一部を改造し、智光(ちこう)の遺した極楽(ごくらく)曼陀羅(まんだら)を祭る極楽坊が成立、元興寺から独立した寺になる。智光曼荼羅は極めてシンプルな浄土図のみの図様をとっているのが特徴。また、図の下方に智光と頼光の二僧が描かれる。鎌倉期以降の中世を通じ、庶民の浄土信仰の中心として栄える。智光(ちこう)→生没不祥。奈良時代の元興寺の僧。三論宗(さんろんしゅう)を学び、晩年は浄土教の研究に専念した。

本堂[国宝] 鎌倉初期に禅室と1棟であったのを別棟とし、1244年根本的に改築され。寄棟造(よせむねづくり)の屋根は、天平時代特有の行基葺(ぎょうきぶき)という屋根の重ね瓦葺で珍しい。この本堂と禅室には建立当初の瓦が使われているという。内部は智光曼陀羅図を本尊として内陣(ないじん)厨子内(ずしない)に祭り、前に木造・智光法師像などを安置する。

禅室(ぜんしつ)[国宝] 禅室とは僧侶が日常起居(ききょ)し、礼拝・瞑想・座禅に励む修行の道場。鎌倉初期に大改造、天平時代の僧坊の形を知ることのできる建物として重要。正面の柱間を非常に広くとり、1間ごとに板扉と連子窓を設けている。

東門[重文] 東大寺南西院の門を移築したもの。

■蛙石 河内の川縁にあった殺生石だったようだが、太閤秀吉が気に入り、大坂城内に移したと伝える。淀君の霊がこもっているとも。大阪城にあった頃は堀に身を投げた人も、必ずこの石の下に帰るといわれ、奇怪な力も持つ石。

収蔵庫 木造阿弥陀如来坐像[重文]などの寺宝を展示、中世の庶民信仰資料6万点などを保存している。

五重小塔[国宝] 収蔵庫の主要な展示品。天平時代に作られた大塔の模型といわれ、10分の1くらいと考えられる。内部構造まで省略せずに忠実に造られており、「工芸品」ではなく「建造物」。古代建築技法を知る貴重な資料。

柴燈(さいとう)護摩会(ごまえ) 2月節分の行事。厄除けの大護摩供養で、護摩木が燃えたあとの炭火の上で呪文(じゅもん)を唱えながら、はだしで渡る“火渡り”の儀がある。

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