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【藤森神社】《神功皇后を主神、他神含めて12座》TEL075-641-1045

社伝では、203(神功皇后摂政3)神功皇后(じんぐうこうごう)三韓(さんかん)征伐(せいばつ)より凱旋後、その旗と兵具を納め、塚を作り、祭祀を行ったのが当社の発祥であると伝える。当初の祭神は、現在本殿に祀られる7座であった。藤森の地は現在の伏見稲荷大社の社地であったが、その地に稲荷神が祀られることになったため当社は現在地に遷座(せんざ)したと言われている。なお、現在地、元は真幡寸(まはたき)神社(現・城南宮)の社地であり、この際に真幡寸神社は城南宮に遷座したと伝える。近郊にあった三つの社が合祀され、現在の藤森神社となった。


参道割拝殿本殿大将軍社霊験天満宮旗塚不二の水絵馬舎宝物殿紫陽花祭

■本殿(江戸)  本殿は東・中・西殿の三座から成る。入母屋造り、檜皮葺で正面に千鳥破風と唐破風の向拝を付している。1712(正徳2)年、拝殿とともに中御門天皇より下賜された宮中内侍所(ないしどころ)であり、現存する賢所(かしこどころ)としては最も古い。

◇中殿 祭神は素盞鳴(すさのおの)(みこと)(わけ)(いかづちの)(みこと)、日本武尊、応神天皇、仁徳天皇、神功皇后、武内宿禰の七柱。

◇東殿 祭神は舎人(とねり)親王、天武天皇の二柱。759(天平宝字3)、深草の里・藤尾の地に鎮座。藤尾は現在の伏見稲荷。室町時代、時の将軍足利義教(よしのり)が山頂の稲荷の祠を三麓の藤尾の地に移し、藤尾大神を藤森に遷座し、東殿に祀る。舎人親王は、日本書紀の撰者であり武道にも優れた文武両道の神。860(貞観2)、清和天皇の時に神事が行われた。これが藤森祭の初めである。

◇西殿 祭神は※早良(さわら)親王、伊豫親王、※井上(いがみ)内親王(ないしんのう)の三柱。早良親王を祀る神社として塚本の地(東山区本町十六丁目)に創建され、1470(文明2)に当社に合祀された。早良親王は陸奥で反乱が起こったとき、征討将軍となり当社に詣でて戦勝を祈願。その出陣の日が55日で、これが現在の駆馬神事の元である。※早良親王⇒桓武天皇の同母弟。藤原種継暗殺事件に連座して乙訓寺に幽閉。無実を訴えるため絶食し、淡路国に配流される途中に河内国で憤死した。のち、崇道天皇と追号された。※井上(いがみ)内親王(ないしんのう)⇒聖武天皇の第1皇女。第49代光仁天皇の皇后。光仁天皇を呪詛したとして皇后を廃され、実子の他戸親王(おさべしんのう)も皇太子を廃される。後、山部親王(母は高野新笠で後の桓武天皇)が立太子された。

■八幡宮社・大将軍社[重文] 足利義教の造営と伝える。八幡宮社は応神天皇、大将軍社は(いわ)(なが)(ひめ)(のみこと)を祭神で、平安遷都の時、王城守護のために京都の四方に祀られた南方の守護神といわれ、古来方除けの神として信仰されている。

■旗塚 神功皇后が旗を埋めたところ。

■蒙古塚 蒙古の将兵の首を埋めたところ。また、兵器を納めたところとも。

■かへし石 一に『力石』とも。所司代巡検の折、当社の神人をして拝殿より鳥居まで転がす行事に用いたものといい、または祭日に集まった人々が力試しに用いたともいわれている。今は二つに壊れている。

■不二の水 「二つとないおいしい水」という意味。ここには昔から井戸があったが何度か枯れてしまい、地下90mから湧き出る。いまの神水は3代目。

■藤森祭 55日の祭礼。貞観(じょうがん)年間(859~77) 清和天皇の勅を奉じて創始。菖蒲の節句発祥の神社として知られる。駆馬や菖蒲は尚武・勝負の連想、武神が多く祀られていること、また明治時代から第二次世界大戦終了まで周辺軍用地であったことから、馬と武運の神社として信仰を集めた。現在は馬と勝負事の神社として知られており、競馬関係者・ファンの信仰を集めており、競走馬の絵馬が多数奉納されている。また舎人親王を祀ることから学問、特に受験での勝運をもたらす神社とされる。

駈馬(かけうま)神事 古来、早良親王が、781(天応元)に陸奥の反乱に対し、征討将軍の勅を受けて、藤森神社に祈誓出陣された際の様子を象ったもので、室町時代には、衛門府出仕武官により、江戸時代には、伏見奉行所の衛士警護の武士や、各藩の馬術指南役、町衆らが行った。行事の形としては、早馬ではなく江戸時代中期に、大陸系の曲芸的な馬術の影響を受けたものと思われる。明治より藤森神社の氏子に引継がれ、奉納されている。

■紫陽花まつり 615日午前10~1ヶ月間。境内の紫陽花苑に植えられた3000株の紫陽花が有償で観賞できる。

■宝物殿 藤森神社参集殿とともに平成元年3月に竣工。大鎧や刀、大筒など、戦いに因んだ社宝100点余りを展示している。

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