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京都観光タクシードライバーの小噺

【豆腐について】

湯豆腐の老舗・奥丹(南禅寺)
湯豆腐・嵯峨野(嵐山)

◆豆腐の起源
 豆腐の起源は、中国の漢の高祖の孫の淮南王(わいなんおう)劉安(りゅうあん)122BC)が発明したと言われているが、実際はよく分からない。しかし、河南省にある打虎亭(だこてい)一号漢墓の古墳の墓室から豆腐作りの壁画が発見され、二世紀ごろには、今日の日本と基本的に変わらない豆腐作りがおこなわれていたことが明らかになった。

◆日本への伝来
 豆腐の日本への伝来についてはよく分からないが、一応、奈良時代、鑑真和尚(がんじんわじょう)(又は、遣唐僧)が日本に伝えたということになっている。豆腐を作るのに必要な石臼(いしうす)が、この頃にはまだ確認されておらず、また、文献的に「豆腐」があらわれ始めるのは平安時代の末頃であり、ちょうどこの頃に石臼が多く用いられるようになり始める。豆腐は入宋僧により、平安時代の末頃伝わったようだ。

◆お寺と豆腐
 豆腐は僧が中国から製法を伝えた。寺の周辺に豆腐屋が多いのは、元来、豆腐は寺内で僧が作っていたものが、しだいに、豆腐屋が寺での豆腐の需要を見込んで、寺の門前に店を構えはじめ、寺に豆腐を納めていたのではないだろうか。特に京都五山の上位である南禅寺などでは、かなりの需要があったのではないか。その後、味にこだわった豆腐屋だけが生き残って、今日に至っている。

◆豆腐という漢字
 豆腐という漢字は、豆が(くさ)ると書く。豆腐は文字通り腐りやすく保存がきかないが、豆腐の()は、ばらばらになる意味で、(くさ)るという意味ではない。豆がばらばらになった加工品であることを示しており、豆が腐って豆腐になるのではない。

◆もめん・きぬこし
 豆腐の製法は大豆を一夜水につけた後、どろどろにすりつぶして大量の水を加えて過熱、その後、()して豆乳とおからに分け、豆乳に凝固剤を加えて固める。「もめん」と「きぬこし」の違いは、その固め方に違いがある。

【もめん】豆乳を型箱で固めるとき木綿布で漉し、水きりをするので、もめん豆腐という。漉したときの布目が豆腐についているのが特徴で、食感が少し粗い。

【きぬこし】もめん豆腐のように水きりをせず、豆乳を濃い目に作って、豆乳全体を固めたもので絹布で漉すわけではない。もめん豆腐に比べ水分が多く、表面が滑らかで舌触りはよい。

◆固かった豆腐
 室町時代の京都の豆腐は座布団(ざぶとん)のような形で固く、水につけておく必要はなく、板の上に豆腐を()せ売っていた。現在でも日本各地では、京都のような柔らかな豆腐でないところも多く、また、水につけずに売られる(かた)豆腐(とうふ)という豆腐がある。なかでも石川県白山の固豆腐は、昔、縄を十文字に掛けてもくずれなかったといわれている。水を入れて豆腐を買いにゆくのは、ほんの最近のこと。

◆おからの語源
 「おから」とは豆乳を絞ったかすで、「お」は接頭語、豆腐の原料になる豆乳をしぼ絞りとった「から」の意から「おから」の名が生まれた。また、おからは「()の花」ともいい、卯の花はウツギ(空木)の異名で、初夏に白く咲き乱れることから、おからの白と通じ、ウサギの飼料にもなることからといわれている。

◆冷奴と湯豆腐の違い
 豆腐の切り方には特有の呼び名がついていて、四角に切る「やっこ」、小角に切る「さいの目」などがあり、冷奴は「やっこ」に切った豆腐を冷たくして食べることをいう。「やっこ」とは江戸時代の(やっこ)(武家の下僕)の衣装につける方形の紋所に似ているところからその名がある。湯豆腐はこれを暖めて食べるだけ。京都の湯豆腐は、昆布だしで豆腐を暖め、薬味を入れたおつゆで食べるが、ただ暖めた豆腐に、しょうゆをかけるだけの地域もある。

◆奥丹、変な名前!
 南禅寺の豆腐を代表する。350年前、奥丹は丹後屋といい、精進料理を作っていた。丹後屋は奥の丹後屋、中の丹後屋、口の丹後屋と三軒あったが、いつしか、中と口の丹後屋が絶え、奥の丹後屋だけが生き残り、奥丹といわれて湯豆腐専門になり今日まで栄えている。

◆森嘉の豆腐がヒットしたのは?
 嵯峨豆腐を代表し、創業は幕末。天龍寺御用達として出発し、現在5代目。(もり)()が脚光を浴びたのは戦後。天龍寺の僧が、歌人の吉井勇のもとへ、森嘉の豆腐を手土産に持って行ったことにあり、これを気に入った吉井勇は、「うつし世の淡々とせし味はひは嵯峨の豆腐にしくものぞなき」と詠んで雑誌に紹介した。これが嵯峨豆腐・森嘉の名を、一躍全国にひろめるきっかけとなった。質のよい地下水と厳選した大豆、ニガリの代わりに澄まし粉(硫酸カリウム)を使って、まろやかであっさりしている。ただ、一般的にニガリを使わないとコクがないといわれているが、コクをとるか、あっさりをとるか、京都の豆腐の岐路にある。

◆「田楽」は踊りから
 田楽とは田楽焼きの略称で、豆腐に竹串を打ち、焼いてみそを塗った料理で、コンニャク、サトイモなどにも応用されている。田楽の名の起こりは、伝統芸能の田楽や神事の舞に、横木を付けた一本の棒に乗って踊りや曲芸をする「鷺足(さぎあし)または「高足(こうそく)」という芸があり、その舞姿が棒上で演じる田楽に似ているためといわれている。ちなみに、「おでん」は田楽の略語で、ふつう煮込み田楽のことをいう。京都から生まれた田楽が、東へ伝わって関東煮、そして「おでん」となる。

◆祇園豆腐
 祇園豆腐は京都名物の一つで、豆腐の木の芽田楽であり、二軒茶屋・中村楼が有名。創業は室町末頃。江戸時代初期には二軒茶屋の田楽豆腐が有名になり、遠くからわざわざ食べに来るものがあったという。西の藤屋、東の柏屋の二軒あったが、幕末の変動期に柏屋だけが残った。柏屋の後身が中村楼。

◆高野豆腐
 (こおり)豆腐のことで、高野山の宿坊で作りはじめたとしてこの名があるというが、長野県などでは「しみ豆腐」と称する。豆腐を凍結してのち、乾燥して作る。タンパク質、脂肪、カルシウムの含有量も多く、保存がきき消化も良好な食品。

◆がんもどき
 豆腐をくずして、ゴボウ、ニンジン、ゴマ、昆布、アサの実など交ぜて、油で揚げたもの。味が雁の肉に似るほどうまいところから名付けられた。関西では()竜頭(りゅうず)といわれている。

◆胡麻豆腐・卵豆腐は豆腐ではない
 胡麻豆腐は豆腐の名がついているが、全く豆腐とは関係がない食品。すりつぶした胡麻を、かたくり粉などにまぜて固めたもの。卵豆腐も卵とだし汁を合わせ、流し箱に入れて蒸し固めたもので、大豆から作られる豆腐とは全く異なった食品であるが、豆腐と同じような形状をもつ料理には豆腐の名がつけられている。

◆豆腐羹(トウフカン)
 万福寺を創建した隠元(いんげん)禅師(ぜんじ)が、来日に際して伝えたという中国風の豆腐。淡泊な風味で、普茶(ふちゃ)料理に使われる。万福寺の山門に近い松本家が相伝の製法により名物として作っている。

◆豆腐の栄養
 豆腐のおもな栄養分はタンパク質であるが、脂肪もあり、消化吸収もよいので、非常に優れた食品である。中国からの伝来は僧によったために、寺院での重要なタンパク源として、精進料理に欠かせない食品となった。また、今日では、米国など海外でもヘルシーな健康食品として注目を浴びている。

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