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京都観光タクシー同友会/京都観光タクシードライバーの小噺

【鹿について】

奈良公園の鹿 奈良の鹿は春日大社の神の使い。奈良公園に約1,000頭が生息、天然記念物として保護されている。春日大社の参道脇に鹿苑があり、鹿は朝ここを出て、夕方に鹿守のラッパを合図に戻る。

鹿と馬酔木 鹿は(なぎ)馬酔木(あせび)がにがて。そのため奈良公園は梛と馬酔木の群落が美しい。寺の境内に馬酔木が多いのは、動物を寄せつけないため?

『鹿に紅葉』の石子詰伝説 春日大社の神使(しんし)・鹿を殺せば死んだ鹿といっしょに穴へ入れられ、石を投げ込む“石子詰"の死刑と定まっていた。ある日、13歳の少年が誤って鹿を殺し、石子詰の刑にされた。これを悲しんだ母親が供養にと植えたモミジの木が菩提院[興福寺塔頭]にあり、鹿とモミジの取り合わせはここから出たという。

奈良の鹿は鹿島から 常陸国(ひたちのくに)の縁起譚によると、春日神社の祭神が常陸の鹿島から鹿に乗って空を飛び奈良の春日山に到着したという。そのため春日の神のお使いが鹿になっている。

鹿と占い 藤原氏の始祖は中臣鎌子(なかおみのかまこ)(藤原鎌足)で、中臣とは神と人の間に仕えるという意味。中臣氏は元来、神職の家系で鹿の肩甲骨(けんこうこつ)()いて占いをしたという。この占いの神事は関東地方の神社に多く残っており、占いをする神職の家系・中臣氏の拠点は常陸にある。春日大社を創始した藤原・中臣氏とはまったく関係ないという。にもかかわらず、奈良公園には鹿がいる。占いのため飼っていたとも思えないが、古代の風習の名残かも?

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