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京都観光タクシー同友会/京都観光タクシードライバーの小噺

【砂糖について】

 現在の日本食には、砂糖は欠かせない調味料だが、江戸時代の料理本をひもとくと、甘みの強い料理はほとんどない。当時、砂糖は希少品。もっぱら高級菓子などに用いられ、料理に使うことはない。調味料として大衆に普及したのは大量生産が可能になってからで、明治30年代以降台湾製糖会社が設立されたのがきっかけといわれている。もともと砂糖はインド原産。ヨーロッパでは「インドの塩」とまでいわれた貴重な物産品。日本には日宋貿易によって薬用として少しずつ出回るようになる。国産品が生産され始めたのは、17世紀になってからで、それまでは輸入の舶来糖で、中国や南方諸島から輸入していた。江戸幕府は砂糖の自給自足を目指し、さまざまな努力を試みる。なかでも八代将軍吉宗はサトウキビ栽培を積極的に推進。その結果、琉球、奄美、土佐、讃岐など各地で黒糖が採れるようになる。日本の砂糖といえば「和三盆」1751(宝暦元)年、長崎で学んだ知識をもとに、平賀源内が最初に作ることに成功したといわれている。落雁などの和菓子の素材として珍重され、今でも伝統製法を受け継ぐ讃岐や阿波が有名な産地。和三盆という名は、中国製の唐三盆に対して和三盆という意味。日本で作られた砂糖ということ。なお三盆という意味は、盆の上で三度分蜜作業をするところからその名がついた。和三盆糖が普通に使われている砂糖と著しく違う理由の一つは、その原材料の違い。和三盆糖の原材料も、上白糖やグラニュー糖と同じくサトウキビ。サトウキビと言ってしまえば同じだが、和三盆糖に使うサトウキビは竹糖と呼ばれる品種で、成長した段階で、背丈は穂の部分を入れて凡そ2m弱、太さは大人の人差し指程度の太さしかないという。

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