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大徳寺納豆

【納豆】

◆京都が誇る納豆といえば、禅宗系の寺院で昔から作られてきた寺納豆。塩辛納豆や唐納豆ともいわれ、こうじ菌で発酵させるのが特徴。粘り気がなく、みそやコンブのつくだ煮のような独特の風味がする。代表的なのが「大徳寺納豆」「一休寺納豆」「天竜寺納豆」など。

◆寺納豆は、もともと中国から伝わり、保存がきくため、お茶受けや酒の肴として重宝され、また、和菓子の材料としても使われてきた。大徳寺納豆の製法を伝授し、普及に貢献したのが一休和尚といわれている。

◆最近は、寺で作られることが少なくなってきたが、一休和尚が晩年を過ごした一休寺では、五百五十年以上にわたって代々の住職が納豆を作り続けている。納豆作りは毎年七月、一晩水に浸しておいた大豆を蒸して、はったい粉とこうじ菌をまぶし、納豆蔵で二日間発酵させ、その後、発酵した豆をこうじかきで丁寧にほぐし、塩水を張った桶に入れ、仕込みが完了する。桶に入れたまま一年ほど天日で乾かすと、黒っぽい納豆が出来上がる。さらにもう一年、蔵で納豆を熟成させる。

◆寺納豆は京都だけではなく、全国各地に存在し、静岡の大福寺ゆかりの「浜納豆」は、熟成させた納豆にショウガやサンショなどで風味付けされ、徳川家康が好んだと、今でも名物となっている。

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