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【県(あがた)神社】木花開耶姫(このはなさくやひめ)》Tel:0774-21-3014

 社伝によれば、1052年(永承7)藤原頼通が平等院を建立に際し、その鎮守社としたといわれ、明治維新までは三井寺円満院の管理下にあったが、神仏分離によって独立した。

本殿

本殿(江戸) 拝殿とともに1854-60(安政年間)の再建。建物細部にわたって華麗な彫物がみられ、近世における繁栄がしのばれる。拝殿には応挙門下の画家・亀岡規礼筆の奉納絵馬一面があり、また、境内には「県井」とする井戸がある。ちなみに、この井戸は『蜻蛉日記』(平安時代の女流日記、藤原道綱母)にみえる。

社名について 祭神の木花開耶姫は一に吾田津姫(あがたつひめ)ともいい、これがなまって社名となったといわれるが、また一説に「あがた」は、上代諸国に設けられた朝廷の料地をいい、県主をおいて当地せしめられた。このとき、御料田の守護神として創祀されたものといわれ、明らかにしない。

県祭り 毎年6月5日の深夜からおこなわれる祭礼をいう。祭りは5日午前の神事のあと、6日午前1時、猿田彦(やえんだひこ)神を先頭とし、獅子頭をつゆ払いいとし、榊の御幣(梵天(ぼんてん)神輿)を中心とした行列が、宇治神社の御旅所を出発して本社に向かう。この間、沿道の灯火は一切消されて暗闇となる。この夜、沿道の家々ででは一般に開放し、地方の信者を宿泊せしめたことから、男女の雑魚寝となり、しかも神輿の渡御中は暗黒とあって、これが一種の性的開放ともなり、むかしはずいぶん風儀をみだしたという。この祭礼は江戸時代の文献には見えず、おそらく明治以降の創始ではないかといわれている。

参考資料 昭和京都都名所図会 竹村俊則著より

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