京都観光タクシー同友会観光案内
【菩提山 穴太寺(あなおじ)】《天台宗》0771-22-0605
西国三十三所21番札所。宝徳2年(1450)成立の『穴太寺観音縁起』によれば、慶雲2年(705)、文武天皇の勅願により大伴古麻呂が開創したとされる。創建当初の本尊は薬師如来だったというが、後、聖観音が信仰される。穴太寺の聖観音像は「身代わり観音」の伝説で知られ、この伝説が『今昔物語集』に取り上げられていることから、平安時代末期には観音霊場として当寺が知られていたことがわかる。『今昔物語集』所収の説話によると、昔、丹波国桑田郡の郡司をしていた男は、都の仏師に依頼して聖観音像を造り、仏師には褒美として自分の大切にしていた名馬を与えた。しかし、与えた名馬が惜しくなった男は、家来に命じて仏師を弓矢で射て殺してしまった。ところが、後で確認すると仏師は健在で、観音像の胸に矢が刺さっていた。改心した男は仏道を信じるようになったという。同様の説話は『扶桑略記』にもあるが、ここでは男の名が「宇治宮成」、仏師の名が「感世」とされている。
山門 | 本堂 | 本坊 |
書院庭園-1 | 書院庭園-2 | 書院庭園-3 |
■仁王門 江戸時代中期再建、京都府登録文化財
■本堂 1735年再建、京都府指定文化財。内陣に鎌倉時代の作とされる木彫釈迦涅槃像が安置され、体の部分をさわると参拝者の病気がよくなると伝わる。この仏様、明治時代の住職が天井裏で寝ていた像を見つけたという。
■多宝塔 1804年再建、京都府指定文化財
■本坊 日光輪王寺から贈られたといい、江戸時代の建物で陣屋造り。その書院から眺める庭園は、室町様式を残す池泉築山式。
□「福給会」(ふくたばえ、ふくたまえ) 1月3日の開催、300年以上続く伝統行事で、1から33番までの札3000枚を本堂から巻き、拾った番号によってくじが行なわれる。3枚だけ赤い札が入っており、それを拾った人は1年間幸せに過ごせるという。
□円山応挙 江戸中期の画家、この穴太の里が円山応挙生誕の地で、近くに記念碑、生誕の石柱が立つ。
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